1.便秘解消の ポイント

⑴ 排便のメカニズムを知る

 

⑵大蠕動を最大限に生かす

 胃に食べ物が入ると スイッチが入り、小腸では蠕動運動が起こります。

 そして大腸でも蠕動運動が起こり便は S状結腸まで送られて

 待機しています。それから大蠕動という強烈な運動により

 S状結腸に待機していた便は直腸へと移動して排便反射が

 起こります。

 大蠕動が起こりやすいのは食後 1時間前後です。

 この タイミングを逃さないようにしましょう。

 水を飲んでも大蠕動は誘発されるので、朝一杯の水が ものを言います。

   

⑶便意を逃さない

 便意が起きたら、躊躇なく トイレに行って座る。

 もし便が出なくてもかまいません。

 便意や ガスを出すだけでも排便の メカニズムが動き出します。

 

⑷トイレに行く時間を決める

 トイレに行く時間を決めることも大切です。

 自律神経が徐々に反応し始めます。

 決まった時間に トイレに行く習慣をつけましょう。

 朝起きて水を一杯飲んでから トイレに行くのもいいでしょう。

 便意や ガスを出すだけでもかまいません。

 やがて排便の メカニズムが動き出します。

 

 

2.排便の メカニズム

便秘を解消するにあたっては排便の メカニズムを

まず最初に知っておかなければなりません。

 

① 直腸に便が溜まる                                 直腸

     ⇓                 ⇓

② 仙髄の排便中枢に情報伝達が行われる  仙髄の排便中枢

     ⇓                 ⇓

③ 大脳へ情報伝達が行われる       視床下部 → 大脳皮質

 「便を出す」                 ⇓

 「我慢する」              選択判断

 のどちらかを大脳は判断して指令を出す     ⇓

④ 排便指令が出される          排便指令            

     ⇓

➄ 腹筋が収縮

     ⇓

⑥ 腹圧が高まる

     ⇓                 ⇓

⑥ S状結腸から直腸に便が移動する    便の最終移動

     ⇓

⑦ 肛門括約筋が弛緩

     ⇓                 ⇓

⑧ 排便                 排便

 

排便はこのような流れになっています。

もし S状結腸に便が溜り仙髄の排便中枢に情報伝達が行われても

排便を我慢をしてしまうことが何度も続けば、

この情報伝達も狂ってくると考えられます。

この私たちの体に自ずから備わった排便の メカニズムを

無視すると大変なことになるのです。

ですから便意が起こったら必ず排便する習慣を身に付ける

ことは大切だと思います。

 

≪便意を我慢すると≫

1.水分が過度に抜けて便が固くなる

2.直腸が鈍感になる

3.悪玉菌が増えて腸内環境が乱れる

 

ことも知っておいてください。

 

※大脳の判断に、『便を出す』『便を我慢する』

 と二通りの判断がありますが、なぜでしょうか。

 

 まずひとつ目に、体の仕組みがあります。

 立ったり、寝ている姿勢では肛門と直腸の角度は鋭角になり

 すぐには便が出せないようになっています。

 便意が出てからすぐには便が出ないようになっているのです。

 座位になって、排便の準備が整ってからはじめて

 便を出すようになっています。

 座位の姿勢になると肛門と直腸の角度が鈍角になり、

 便意も起こり便が出やすいのです。

 

 この直腸の角度を調整してくれているのが

 骨盤底筋群のなかのひとつである恥骨直腸筋です。

 また便を我慢する時になくてはならない筋肉が

 外肛門括約筋です。外肛門括約筋は随意筋で

 自分の意志で コントロールすることができます。

 

 ※骨盤底筋群とは骨盤を下から支えてくれている筋肉群です

  骨盤の中には大切な臓器がぎっしりと詰まっています。

  骨盤底筋群は内から外から何重にも層をなし、

  ハンモックのように骨盤内の臓器たちを下から しっかりと

  支えて守ってくれています。

   

 〈介護の現場では〉

  いかに座位の姿勢をとることができるかどうかで

  排便の状況が大きく変わってきます。

  排便が スムーズにできるかどうかは介護の中で特に重要な

  要素になるのでとても大切なことなのです。

 

2つ目は、私たち人間を含めて弱い動物たちは、

常に危険を察知することが必要不可欠でした。

そうでないと強いものに食われるという弱肉強食の歴史が

長い間つづいていたのです。

現在も自然界では弱肉強食は当たり前の ルールであり

動物たちはその自然の法則ともいえる ルールの中で生きています。

もし強いものに襲われたら、咄嗟に逃げないと殺されます。

そんな時に便意が出てしまったら逃げられません。

 

ですから大脳の判断には『便を出す』『便を我慢する』

の二通りがあるのだと思います。

 

便意が起こっても我慢することは自然の法則に逆らい、

自分自身の体に恐ろしい便秘となって跳ね返ってくる

ということを知っておかなければなりません。